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第1回:思い切って相談して!/関西医科大学附属滝井病院副院長、外科部長、特命教授 吉岡和彦 先生

一人で悩まず、まずは受診を。

患者さんが便失禁の症状で病院に来るきっかけは様々です。ご自身がインターネットで調べたり、新聞記事等で読んだり、他の先生のご紹介を受けて来られます。ご主人やご家族など、身近な人には誰にも打ち明けられないまま一人で来る方が多いですね。ただ、皆さん相談に来る時点ではもう覚悟を決めているためか、医師である私にはすべて率直にお話しくださっています。

一方、こうして病院に来て相談できているのは便失禁の患者さんの一部で、多くの方は一人で悩まれている期間も長く顕在化することが少ないため、便失禁は“サイレントディジーズ(静かな病気)”とも呼ばれています。もし症状で悩まれているのであれば、まず、専門医を受診してほしいと思います。

専門医の受診をおすすめしています

一方で、便失禁はまだ知名度も低く、治療を実施している病院も少ないのが現状です。病院を渡り歩き、やっとのことで専門医にたどり着いた患者さんに、「便失禁」という病名とともに、便失禁は多くの方が治療のために通院している一般的な疾患であることをお伝えすると、気持ちが落ち着くことが多いようですね。

診断と治療方法について

患者さんからよく聞く症状は「便が漏れて下着が汚れる」「下痢ぎみである」「排便回数が増えた」などです。初診では問診と直腸指診などを行っています。症状により選択する治療方法は異なりますが、一般的には便の硬さを調整する薬による治療から開始します。多くの方が薬によって症状の改善がみられます。

また、2014年4月から仙骨神経刺激療法(SNM)という治療法が保険適用となり、お薬などの治療で効果が得られなかった患者さんにとって治療法の選択肢が増えました。日常生活をアクティブに過ごしていいらっしゃる方々への治療法として期待されています。

患者さんへの医師からのメッセージ

高齢の方に限らず、若い方でも便漏れの症状で病院に来る方はたくさんいらっしゃいます。便失禁は特別な疾患ではありません。便失禁の症状や改善のスピードなどは、患者さんによってそれぞれですが、便失禁の専門医は、患者さんのお話を全て真摯に受け止め、其々の患者さんに適した治療法を考えます。だから安心して一度専門医を受診されることをお勧めします。

総監修医療法人三慶会 指扇病院 副院長、排便機能センター長 味村俊樹先生